民の安寧が至高の法であらねばならない

Salus populi suprema lex esto」と記されたアメリカ合衆国ミズーリ州紋章
スイス連邦院内に掲げられた「Salus publica suprema lex esto」。

民の安寧が至高の法であらねばならない」(たみのあんねいがしこうのほうであらねばならない、ラテン語: Salus populi suprema lex esto)は、キケロの『法律について (De Legibus)』3巻3章8に見える格言ないし原則[1]日本語では、「国民の安全が最高の法律でなければならない[2]英語では、"The health (welfare, good, salvation, felicity) of the people should be the supreme law", "Let the good (or safety) of the people be the supreme (or highest) law"[3]などと訳される。

使用例

この語句は、ラテン語のまま、アメリカ合衆国ミズーリ州州のモットーとなっている。また、多くの紋章にも用いられ、ときには少し文言を変え、Salus populi suprema lexSalus populi suprema est などとして使われることもある。そうした紋章の例としては、シティ・オブ・サルフォードルイシャム・ロンドン特別区 イーストレイ英語版ハーロウ・ロンドン自治区ライサム・セント・アンズ ティプトン英語版 ミッド・サセックス英語版 ウェスト・ランカシャー英語版 スウィントン・アンド・ペンドルベリー自治区英語版 アームストン英語版 ウィレンホール英語版[4]、アメリカ合衆国バージニア州マナサスパークデュケイン大学 法律学校英語版などがある。

ジョン・ロックは、「Salus populi suprema lex」という形で、著書『統治二論』のエピグラフとして用い、これを統治の基本原則とした[5]清教徒革命におけるイングランド内戦の際には円頂党 水平派英語版 ウィリアム・レインズボロウ英語版は、コルネットにこの語句を刻んでいた。このモットーは、ホッブズも『リヴァイアサン』30章の冒頭で言及しており、スピノザも『神学・政治論』の19章で論じている。遅くとも1737年には、「Salus populi est suprema lex」(「民の安寧が至高の法である」と断定する直説法の文)という形で言及され始め、この形でしばしば引用されるようになった[6]

このモットーは、アイルランドの医学雑誌『Medical Press and Circular』の 発行人欄英語版にも掲げられている[7]